原題は単に「ポイント　ブランク」なのだが邦題では足す形で「殺しの・・」
が付いてて　如何にも６０年代当時の配給の匂いが感じられる。
今は　そんな細かい芸は　しないだろ。内容の解り易さ　より作品の
勢い重視だろから。

主演のリー・マービンは私も　よく知った脇の渋くてタフガイな役者さん
なのだが　彼の主演の作が日本でも封切られてたとは知らなんだ。
あくまで群像活劇に於ける一役ってな印象が濃かったので。
調べてみたら本編の前年に　かの「プロフェッショナル」に出てて
私がオンタイムで観た「北国の帝王」は１９７３年の作らしい。
「北国・・」は大不景気の折　貨車にタダ乗りして放浪するホーローを
地味に演じてて記憶に残ってる。

本作は　未だ米国がベトナムで負け戦に成ってゆく前の時代なので
皆が明るく素直に明日の未来を信じて走ってた雰囲気が感じられ
「地獄の天使」（１９６７年）のワイルドな犯罪性にポップ・カルチャーが
混ざったやうな色合いだった。
　前半はストリィ・ラインが散文的で解り難かったのだけど
　後半は　監督の後年の映画「脱出」（１９７２年）のやうなテンポの
　良さを感じ小気味がヨカッタ。暗黒映画なんだけど往年の
　ジェームズ・キャグニー映画と違い　かなり欧州の影響を感じました。