メトロ・シネマノート


「戦雲」雑感。

1:みきお。:

2024/04/24 (Wed) 20:23:25

タイトルの「雲」は「ふむ」と読ませるらしい。
造語かと勝手に思ってたら此れが沖縄の方言のやうだ。
それを知っただけでも雨風の中 来た甲斐は有ったかと思う。

観る前は沖縄と駐屯してる自衛隊との軋轢だろと推察してたのだが
沖縄本島から搾取されてる近辺の小島の話で在った。
朱里に貢物を送ってた歴史を知り 薩摩や大陸に蹂躙されてた本島も
反転して付近の小島には同様な事をしてたのかと歴史の皮肉だと感ズ。
人間界も自然界の一枠なので食物連鎖の法則に従ってるのかと
少し複雑な思いを抱いた。

南洋の人達は顔は 浅黒く丸顔の人が多くて概して大らかだが
自分の説を曲げない人が多いやうに見受けられた。
沖縄は侵略された歴史を持つから云うんぢゃ無く地政学上に さう成る
のかな?の印象が濃い。蒙古系の日本人とは かなり違った感受性を
南方系の日本人は持ってるやうに感じた。
亡くなったテレビ・コメンテーターの大橋 巨泉 氏 なんぞは
昔 琉球独立論を ぶち上げてたが 私も当時から同意で かっての
沖縄本土復帰の時点で彼の地は独立の道を選ぶべきだったかと思う。
それが出来なかったんは経済の問題。独立して食べてゆけるか?の
切実な問題が有ったろうと推察ス。で 結局は心 成らずも&断腸の
思い抱きつつ&堪へ難きを堪への心境で本土復帰の道に少なくとも
表向きは同意したと思われ なんだけど 何かトラブルが生じると
感情が爆発!のイメージが目に浮かぶ。
本島で云うと 米軍基地は誰しも無くなって欲しいとは思ってるけど
実際 完全に撤退でもされたら自分達が食べてゆかれなく成ると云う
相 反する矛盾を常に抱へて生きてる県民性みたいのを感ずる。
その分 内国に居る人よりか悩みがも深く闇の深さも感ズ。

登場人物達は一人一人がシッカリ自分を持ってて個性的で
皆が魅力的。南洋の潮風で逞しく成るのか・島のカミの ご守護なのか
皆が自分の生を生き切ってるんが羨ましく感ずる。
そんな中で異色だったんが当地の若い自衛隊員で彼は海辺のレガッタ競争にも
参加し かなり地元民とも打ち解けて居た。ま 自衛隊の駐屯地側から
すれば宣撫工作の要員って事だろが 人柄的に島民に慕われる・慕われない
は当然 有る訳で 慕われるんは彼の持って生まれた人徳なんだろうと
思う。若しかして遠い未来の沖縄派遣軍のリーダーにも成れさうな器の大きさ
感じた。帝国海軍の長官だった山本 五十六 みたいに笑顔が
清々しかったのが心に残る。

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