メトロ・シネマノート


「沖縄スパイ戦史」雑感

1:みきお。:

2024/04/18 (Thu) 15:04:37

NHKの夏の定番「戦史シリーズ」みたいな造作だった。
現地でマイクを向けてる若い女性も女性らしくストレートな訊き方で
その積み重ねでキネ旬1位の文化作品に仕上がったってな態だった。
監督も女流二人の共同作業だったらしく男では踏み込めない処も
聖域 無く描こうとしてたのが印象的。銃後の守りの婦女子の目線を
最後まで全うしやうとしてたのが心に残る。

沖縄戦の話だけど切り口は色々と在る。
日本軍の立場で云うと派遣された云うても職業軍人と赤紙招集の人。
徴用された軍属の人達。同じ軍隊内に居た云うても立場・思いは
最初から違ってただろうし 戦後の反省や慚愧にも質的な違いや
濃淡は有ろうかと思う。
部隊の高官に居た人だったか戦後 都会で工場経営者に成って
電話取材にも応じてたが その応対ぶりは(あくまで仕事だった。
男児として 我 事に於いて後悔せづ!)の あっけらかん で
流石 経営者として戦後を生き抜こうとする猛者は割り切ってるな。
と感じた。それくらいの割り切り方が無ければ戦後に取り残される
だろうな・・と思う。人生としては見事!!だとは思う。
無論 善悪は別だが。

最後の若い娘さん二人が当時スパイの嫌疑の対象にされたんは
軍事作戦的には至極 当然かと思う。何処の軍隊でも あの状況下では
スパイ予備軍としてリストには載せるだろうし 非人道的 云うても
そもそも軍隊そのもが洋の東西・古今東西 問わづ常に非人道的な存在だ。


大学教授らしき人がインタビューで(当時の日本の軍隊は国民を守る為の
物では無く・・)と言い掛けたので 私は(さう。あくまで天皇制の護持
国体擁護の為ょ)と呟いたが 教授も続けて(国体護持の為)と云う
フレーズを使ったので 私の大東亜 戦争の見方と同じだな と感じた。
そもそも昭和20年8月の御前会議に於いて最後まで揉めたのが
(ポツダム宣言 受け入れるとして国体は守られるのか?!)の一点で
別に赤子の臣民が守られるのか!?では無かった。

外国の戦争秘話 例へば アンネ・フランクの屋根裏部屋の居場所を
密告したのは近所の人だったとか アウシュビッツで仲間の情報を売って
何とか食料を確保してたユダヤ人が居たとか 進駐して来たドイツ兵と恋仲に
成り戦後 怒りを買った住民達に往来で丸坊主にされたパリ娘とか
枚挙に暇がない。
だから今回の事でも蛮行に手を染めてしまった人達を罵る気持ちには
成れ無い。
まぁ せんじ詰めれば 関東軍の暴走を東京の参謀本部が止められ
無かったんが終わりの始まり だと感ずるだけ。
片道切符の戦艦 大和に沖縄突撃を命じた段階で日本の軍隊は既に
瓦解してる。




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